キレイに仕上がる!同人誌印刷用データ作成のコツ(後編)

前編では「塗り足し」「文字切れ」「枠切れ」「余白」の裁断時のズレによる仕上がりへの影響と、キレイな仕上がりになるコツについて紹介しました。

後編では、「印刷がキレイに出る」データ作成のコツを紹介します。

目次

ヘアライン(極細線)

ヘアライン(極細線)とは

「線幅(太さ)が限りなくゼロにちかい極細線(罫線)」のこと。また、印刷可能な最も細い線。

罫線は必ず【 0.3pt以上の線幅(太さ)】を設定しましょう。

0.3pt以下の細線は、印刷時にかすれたり消えてしまったりする場合があります。
モニター上ではある程度の太さのある線として表現されることがありますが、印刷ではかすれたり消えてしまったりときちんと印刷されません。

0.3pt以上の線幅でも、色が薄い場合等は掠れる場合もあります。
また、線だけでなく、小さい文字や色の薄い図形等にも掠れたりキチンと印刷されない恐れがあるため注意が必要です。

用紙にも注意しましょう

印刷する用紙によっては、表面がツルツルと滑らかな質感のものや、ザラザラとした質感のものもあります。
特に、紙の表面がザラザラとしている用紙(上質紙やクラフト紙のような非塗工印刷用紙)や、エンボス加工が施された用紙に印刷する場合は、0.3pt以上の線幅でも細い線や色の薄い線はかすれて消えたりと見えなくなる場合があります。

モアレ

モアレとは

トーンを重ねた際に意図しない縞模様などの模様が出来上がってしまう現象のこと。
別名では「干渉縞(かんしょうじま)」と呼ばれています。

モアレが起こる主な原因

  • カラーモードをグレースケールにしている。
  • トーンの下にグレーの塗りを置いている。
  • 重ねているトーンの線数が違う。
  • 重ねているトーンの角度が違う。
トーンのみの場合とトーンとグレーの塗りを重ねたイメージ

モアレが起こっていてもそのまま印刷されますので、「モアレが起こらない・起こりにくい」データの作成がポイントになります。

トーンを使用しているデータが「モノクロ2階調」になっていることを確認しましょう。
トーンの下にグレーの塗りが重ならないように気をつけましょう。
トーンを重ねる場合は、トーンの角度と線数が一致していることを確認しましょう。

線数と角度が違うトーンをそれぞれ重ねたイメージ

リッチブラック

リッチブラック(混色の黒)とは

リッチブラックとは墨インキ(K)の他に、CMYのインキが加わっている「黒」のことです。
墨(K)以外の色を加えることで、深みのある黒を表現できます。

しかし、小さな文字や、細かなオブジェクトにリッチブラックを使用すると、狭い範囲にインクが乗りすぎるため滲んでいるように仕上がることがあります。

小さな文字や細かなオブジェクトには、リッチブラックを使用しないようにしましょう。

また、「リッチブラック」と「K100%」の黒は、画面上では同じ色に見えても印刷では色が異なって仕上がりますので、背景やオブジェクトなどに使用する際は注意が必要です。

K100 %の場合のイメージとリッチブラックの場合のイメージ
墨(K)以外にも色が加わっている状態のカラー設定のイメージ

カラーをモノクロ化するときの注意点

カラーで作られているデータをモノクロ印刷したい場合は注意が必要です。

なぜなら、カラーデータをモノクロ化すると、色の差異がなくなりグラフの判別が出来なくなる、または、文字が見えづらい仕上がりとなることがあるからです。

カラーデータをモノクロ化したイメージ

普段からグラフ等を作るときは、

同じ色をはっきりとした濃淡(例:黒、グレー、白)や、模様(例:斜線、網点、ベタ等)で使い分ける。
文字は下線や太字などで強調する等、モノクロ化したあとも読みやすくなるよう注意して作業する。

このように心がけていると、いざモノクロ印刷をする必要が出た時に安心ですね。

さいごに

今回は、キレイな仕上がりになる同人誌作成データのコツ(後編)を紹介しました。
紹介したデータ作成のコツを参考に、イメージ通りの素敵な同人誌を作ってみてください!

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